翻訳できない世界のことば Lost In Translation

世界への扉を開く本棚

『翻訳できない世界のことば』

エラ・フランシス・サンダース
前田ゆみ訳
創元社

翻訳の仕事をしていて思うのは、
ことばは必ずしも試験勉強の単語帳のように
対になっているものばかりではないということ。

もともと日本語にない概念を西洋から持ってきて、

むりやり日本語にしたため、意味の歪んでしまった可哀想な言葉たち。

文化の違いの狭間に残されて
誤解されたり、舌足らずな表現に甘んじているものの多いこと!

まさにLost in translationです。

この本は、簡単には訳しきれない美しいことばたちを世界中から集めた宝石箱のよう。

私たちに身近な例をいくつか。

 
 
Tsundoku 積ん読
買ってきた本を、他のまだ読んでいない本と一緒に、読まずに積んでおくこと

Leaving a book after buying it, typically piled up together with other unread books

 
 

Wabi Sabi 侘び寂び

生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見いだすこと

Finding beauty in the imperfections an acceptance of the cycle of life and death

 
 
侘び寂びは、Beauty in imperfection
と訳されることが多いです。
 
他にも、北欧好きにはお馴染みの
スウェーデン語のFika や
 
 
 
枯れ葉のように色が薄れてゆくという意味のフランス語のFeuillemort 
愛する人の髪にそっと指をとおすしぐさという意味のブラジルポルトガル語 cafuné

など他にもステキなことばがたくさん紹介されています。

 
 
世界中のカラフルなことばたちを見ていると、バベルの塔が作られたのも、
悪いことばかりではなかったのかも、なんて思いました。
 
英語だけでなく世界のことばに興味のあるひとには、たまらない一冊。

ことばを原文のまま飲み込んで、その世界ごと理解する。
いくら機械翻訳が進んでも、こればかりは人間にしかできない愉しみですね。

 
 
 
 
 
 
 
 
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