[動画でリスニング]ニューヨークでいちばん有名な声を持つひと

NYに恋する理由
 
ニューヨーカーのウェブ版を眺めていたら、
The Most Recognizable Voice in New Yorkというタイトルが目に付きました。
 

ニューヨークで一番有名な声…って誰だろうか?

Recognizable = 見分けのつく、認識できる

 

ニューヨークの誰もが知っている声、聞いたことのある声…。

本文を飛ばして、動画を見て納得。

あぁ、これなら、誰でも知っている。たぶん、旅行者でも知っている、というか聞いたことがあるはず。

Stand clear of the closing doors, please!(閉まるドアから離れてください)

あの、地下鉄でおなじみのアナウンスの主は、意外にもアメリカ英語を話す英国人Charlie Pellettさん。
子供のころにロンドンからNYに移ってきた彼は、周囲から英国訛りをバカにされて、必死でアメリカ訛りを習得したといいます。

どうやったかというと、ラジオを聞きまくった。ラジオが大好きで、学生時代にも構内ラジオ放送をやった。

そして、ブルームバーグラジオに就職。仕事が楽しくて、楽しくて仕方がなかった。

あるとき同僚がロンドン旅行へ行って、現地の地下鉄のアナウンスを聞き
NYの地下鉄のアナウンスも改善しなくては、と言う話がもちあがります。
そして、新車両の導入に合わせて、録音をしてみようということになり、彼の声が選ばれました。

Stand Clear of the closing doors guyの誕生

移り変わりの早いニューヨークで、彼はもう11年以上も地下鉄の「声」を続けています。
(動画は4年前のものなので、15年かな。2019年の時点でも健在でした)

次にニューヨークで地下鉄に乗るときは、ちょっと気を付けて聞いてみよう。

ひょっとして声の主が隣に立っているかもしれない、そう思うとワクワクします。 

 

 
この動画を使ったリスニング学習方法
 
1. 一度目はそのまま聞いて、話の流れを掴む
2. 重要表現の解説と合わせて内容を確認する
3. 設定から「字幕(自動生成)」を選択して、英語字幕を表示させ、聞き取れない部分を確認 
4. それでも聞き取れない場合は、再生速度を0.75〜0.5くらいまで落として聞く
(あまり速度を遅くすると、よっぱらいみたいに聞こえます) 
5. 余力のある人はシャドーイングのように、動画に合わせて声を出して重要表現を繰りかえす
 
 
動画内で使われている重要表現
 
 
(0:00) Ladies and gentlemen, we apologize for the  unavoidable  delay. 
 
unavoidable 不可避の、止むを得ない事情による 
delay は遅延

[訳]乗客の皆さま、止むを得ない事情による遅延をお詫びいたします。
 
 
(0:10) I’m sorry if you’re  stuck in a train .
 
stuck in a train 電車が立ち往生している
stuck は行き詰まる、身動きが取れない、お手上げの状態。
stuck in a trafficなら渋滞にあう
ここでのI’m sorryは謝罪ではなく、残念でしたね、大変ですねという意味合いの共感を示す言葉です
 
[訳]電車が立ち往生して大変ですね。
 
(0:18) I  literally  share your pain because I’m probably on that same train  wondering am I gonna get to work on time. 
 
Literally=文字通り、本当になど、少し強調して言いたい時に使います
wondering 思いを巡らす
get to work on time =時間通りに会社に着く
 
 
[訳]私には実際にあなた方の痛みが分かるんです。なぜなら、私自身も同じ電車に乗り、会社に間に合うのだろうかと思いを巡らせている可能性があるからです。
 
(0:25) My name is Charlie Pellet and I work at Bloomberg radio here in New York
but perhaps  better known as the stand clear of the closing doors guy on the New York City subway system.

 
better known as =〜としての方が有名
 
[訳]私の名前は、チャーリー・ペレット。ここNYのブルームバーグラジオで働いています。でも、もしかすると、NY地下鉄の「閉まるドアから離れてください」男としての方が有名かもしれません。
 
(0:37) I’s an interesting story, because I  grew up  in London England. When I first came to the United States, a lot of kids  made fun of  my English accent. So I  did everything I could to get rid of the English accent. 
 
grew up 育つ。grow upの過去形。
made fun of バカにする。からかう。make fun of の過去形

Did everything I could 出来ることは全てやった
to get rid of 排除する、取り除くために 
 
[訳]面白い話なんですが、私は英国のロンドンで育ったため、米国へ来た当初は他の子供たちから英国訛りをバカにされていました。 そこで、英国訛りをなくすためにあらゆることをやりました。
 
(0:50) How did I do that?  By listening to people on the radio. I was an  avid  radio listener. I just loved  tuning in  and over a couple of years, all traces of the accent seemed to be completely eliminated. My wife always jokes that she married the only  Brit  with an American accent.   

 
 
avid 熱心な、貪欲な
tune in ラジオのチャンネルを合わせる 周波数を選択する
trace 痕跡 
eliminate 消える、排除する
Brit 英国人
 
 
[訳]何をやったかというと、ラジオの声を聞いたんです。私はラジオの熱心なリスナーでした。ラジオのチャンネルを合わせるのが大好きで、数年後には私の訛りの痕跡はほとんど全て消えてしまったようでした。私の妻はいつも冗談めかしていうんです。私はアメリカ訛りを持つ唯一の英国人と結婚したわって。
 
 
(1:13) My first experience with broadcasting really  came in high school doing morning announcements. I loved doing it. It was a lot of fun and it was easy… from there, I went on to my college radio station and I loved it. Absolutely loved it.  I’ve been on the air or working at New York radio stations ever since 1980.  
 
come in やってくる
 
[訳]初めてブロードキャスティングを実際に経験したのは高校生の時でした。朝の放送を担当していました。とにかく楽しくて仕方がありませんでした。そして簡単なことでした。そこから、大学のラジオ局へ行きましたが、これも楽しかったです。心の底から楽しんでいました。私は1980年からラジオで話す仕事を、ニューヨークのラジオ局で始めました。
 
(1:31) I can’t tell you how  invigorating , how energizing, how exciting it is to be doing what I love, to be asked to do it, to be allowed to do it.    
 
invigorating 爽快な、元気の出る
 
[訳]自分の好きなことを仕事にし、それをやってくれと頼まれ、それを許されるということが、
どれほど爽快で、エネルギーを与えられ、心踊ることか言葉では言い尽くすことができません。
 
(1:52)  I think I take a lot less pay for what I do, I love doing what I do.  It really is so exciting to be in an environment that you  care so much about 
 
care about 気に掛ける、よく考える、気になってしょうがない、好きという意味でも使います
 
[訳]それに対する報酬は大分少ないものでしたが、私は仕事が大好きです。
自分が好きで仕方のない環境に身を置けるということは本当に感動的です。
 
(2:04) We had a couple of co-workers who went together on vacation to London.
They heard the announcements in the  London Tube  and they came back to New York. and they were  passionate  about it and said what can we do to  improve  the quality of the announcements in the New York City  subway system.   
 
London Tube ロンドンの地下鉄 
passionate 熱心に  
improve 改善する 
subway system 地下鉄網
 
[訳]ある時、数名の同僚が休暇でロンドンへ行きました。彼らはロンドンの地下鉄のアナウンスを聞いて、ニューヨークへ帰ってきました。そして、そのことについて熱心に語り、ニューヨークの地下鉄網のアナウンスの質を改善するために何が出来るだろうかと言いました。
 
 
(2:22) Now you have to realize that back in the early 90s, the announcements very often were  muffled and garbled,  couldn’t always hear what was going on.They  set out on a course  to improve the quality of the announcements. 
 
muffled and garbled くぐもった、不明瞭な、はっきりしない 
set out on a course 計画に乗り出す

 
[訳]ここで、1990年代初めのことです。地下鉄のアナウンスはほとんどが、くぐもった不明瞭な声で、何を言っているのか聞き取るのがとても難しかったのです。彼らはアナウンスの質を高めるための計画に乗り出しました。
 
(2:33)  One thing leads to another , somebody of Bloomberg knew somebody at the  MTA ,  next thing you know , they said, hey we’ve got new subway cars  coming out . Can you guys record some sample announcements for us.
 
One thing leads to another〜next thing you know   
1つの出来事が別の事柄のきっかけとなり(いろいろあって)〜気づいたら (この2つはセットで使われることが多いです。
coming out 出てくる 発表、公表する
MTA Metropolitan Transport Authority ニューヨーク都市圏の地下鉄、バスの運営会社
 
[訳]1つの出来事が別の事柄のきっかけとなり、ブルームバーグの誰かが、MTAの誰かの知り合いで、気づいたら、新しい地下鉄車両が導入されるから、君たちのうちの誰かアナウンスのサンプルを録音してくれないか、という話になりました。
 
(2:58) Well, the question is, who would do the voices.  Number of us recorded the announcements, the MTA listened them. and Charlie Pellet  wound up  being of stand clear of the closing doors guy. and I thought wow this has gone from being a maybe,  this is going to happen  and  all of a sudden  there was my voice coming through the loudspeaker saying “stand clear of the closing doors please”.   
 
wound up 結局
this is going to happen 今から起ころうとしている、これから起こるんだ→本当に現実のものになる
all of a sudden 突然

 
 
[訳]で、問題は、誰がその声を担当するかです。何人もがアナウンスを録音し、MTAがそれを聞きました。そして、チャーリー・ペレットが「閉まるドアから離れてください」男に決まったというわけです。私は、これはすごいぞ、ひょっとしたら、が現実になるんだ、と思いました。そして突然、スピーカーから私の声が聞こえたんです。「閉まるドアから離れてください」
 
(3:20) It  blows my mind  because New York is a fast paced town.  Restaurants  come and go , Broadway shows open and close, celebrities, entertainers they disappear,  everybody has their 15 minutes of fame .

I’ve had at least 11 years and by New York standards, that’s pretty  impressive It is an absolute honor to be the voice of the greatest subway system in the world  bar none .
 
blows my mind  衝撃的、大きな驚き
come and go 来ては去る、出来ては消える 
everybody has their 15 minutes of fame 誰もが15分間だけの名声を得る ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホルの言葉
impressive 感動的、印象的
honor 名誉
bar none 例外なく、断然
 
 
[訳]これが驚くべきことです。ニューヨークは移り変わりの早い街で、レストランが出来ては消え、ブロードウェイのショーも始まっては終わり、有名人やエンターテイナーも消えていき、誰もが15分間だけの名声を得ています。そんな街で、私の声はもう11年間も使われ、ニューヨークのスタンダードではこれは非常に素晴らしいことです。 例外なく世界で最も素晴らしい地下鉄網の声を務められることは、この上ない名誉です。

 
 
 
今週のレッスンはいかがでしたでしょうか? NYの地下鉄が世界一とは思いませんが、アナウンスが聞きやすくなったのは事実ですね。とてもクリアな発音なので、聞き取りもしやすかったのではないでしょうか。
 
好きなことに夢中になっていると、いつの間にかそれが何かの形になっています。英語の習得も同じです。リスニングなら聞いて聞いて聞きまくる。 それも自分の好きなもの、興味のあるテーマの音源を聞くようにすれば、 楽しくて夢中になっているうちに、上達するんです。 
 
 

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