食物アレルギーを持つ子供と美食家パパのクッキング

食いしん坊の英語

今日は、ニューヨークタイムズのフードコラムニストで、
レストラン批評を担当しているピート・ウェルズさんのおはなしです。

ニューヨークタイムズのレストラン批評といえば、
その評価次第ではレストランの営業が立ち行かなくなるかもしれないといわれ、

ニューヨーク中のレストランがミシュランの調査員のように恐れる人物。

新しくオープンしたレストランのキッチンにはかならず、
要注意人物としてピートさんの写真が貼ってあるそう。

そんな、ある意味ニューヨークで最高権力を持つピートさんですが、
じつは彼の息子さんは生まれつきかなり重度の食物アレルギーを持っています。

あらゆる食べ物を知り尽くしているピートさんが、
食べられるものが制限された息子のデクスターと過ごす
キッチンでの物語、Cooking with Dexter は、
アレルギーと料理を通じて幼い心と向き合うなんとも素敵なおはなしです。

わたしの甥も、卵と小麦粉が食べられないアレルギー持ち。

家族で集まるときも、お土産のお菓子選びには慎重になりますが、
甥子はお団子やお餅、おせんべいが大好き。
和菓子は卵も小麦粉も使われていないものが多いので助かります。

なんとなく甥子のことを思いながら最近

また記事を読み返しました。
もうだいぶ前に連載は終わってしまって、本になるような分量もないので、
このままニューヨークタイムズのアーカイブに埋もれていくのかな、
と思ったらなんだか寂しくなりました。


抜粋をすこしだけ紹介しますね。
これまで、細心の注意を払って息子の口に入るものを管理してきたピートさん。
テレビもほとんど見せず、他の子どもたちが食べている様々な加工食品を知らずに育った
デクスターはだいぶアレルギーの症状も出なくなっていました。

そして遂にその日が来てしまいました。

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デクスターが5歳になったある日の出来事。

“Luke says there’s a restaurant called McDonald’s,” he reported one day.
「ルークがね、マクドナルドっていうレストランがあるっていうんだ」
ある日デクスターからの報告。

There was no point denying it, so I asked him what else he learned. 
否定する理由はないので、デクスターが他に何を知っているのか聞いてみた。

 →no point 意味がない
 →deny
否定する
 →マクドナルドというお店の存在を否定する意味が全くない
 →嘘をついてもしょうがないし、というニュアンス。
 →learn
は学ぶ、学習するという意味ですが、単純に「知る」という意味でもよく使われます。

“He says that other kids eat there, but we don’t. And he says that the food is bad for you.”
「他の子は食べにいくけど、僕たちは行かない。それでね、そこの食べ物はからだに悪いんだって」

 →〜 is bad for you 〜はあなたにとって良くない、体によくない、とてもよく使われる言い回しです

It seemed as if Luke’s nutritional views might enable us to keep Dexter away from 
the golden arches indefinitely, but a few months later he brought it up again. 

ルークの栄養に関する見解のおかげで、ひょっとすると私たちはデクスターをあの金のアーチから
永遠に引き離しておけるかもしれないと思った。
しかし数ヶ月後、またデクスターがまたマクドナルドのことを話題にした。

 →viewといえば「眺め」ですが、opinionと同じく意見、見解という意味でもよく使われます。
 →What are your views on this? これについてのあなたの意見は? なんて言い方をします。
 →golden arches 金のアーチといえば、マクドナルドのMマークのことですね。
 →keep away from 引き離す、近寄らせない

This time he wanted to try it.
今回は、試してみたいという。

〈中略〉

そして二人は、マクドナルドへ行き、デクスターは生まれて初めてハッピーセット(英語ではHappy Meal)を食べます。

When my wife, Susan, was out of town, Dexter and I walked the two blocks to
our neighborhood McDonald’s with his younger brother, Elliot, in the stroller.

妻のスーザンが留守のとき、デクスターと私は2ブロック歩いたところにある近所のマクドナルドへ行った。
彼の弟エリオットはストローラーに乗せて。

I ordered the newish Angus Third Pounder and enjoyed it reasonably well.
The boys had Happy Meals with McNuggets, fries and milk. For dessert, I bought two apple pies.

私は新メニューのアンガスビーフバーガーを注文し、それなりに満足した。
息子たちはマックナゲットとフライドポテト、ミルクのハッピーセットを食べ、
デザートにはアップルパイを2つ買った。

 →reasonably well まあまあ、それなりに
 →fries フライドポテト 日本語だとフライドポテトですが、アメリカではFrench fries/friesが一般的。
  イギリスへ行くとChipsになります。(ポテトチップスじゃなくてフライドポテトのこと)

When I asked him what he liked best about his dinner at McDonald’s,
Dexter answered without hesitation:
the orange Hot Wheels racer that came with the Happy Meal.

マクドナルドでの夕食でいちばん良かったのは何かきいてみた。するとデクスターはキッパリとこう答えた。
ハッピーセットのおまけについてきたオレンジ色のHot Wheelsレーサーのミニカー。

 →without hesitation 躊躇なく
 →come with〜  〜と一緒についてくる

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この後二人はデザートに食べたアップルパイをお家で作るのですが、
南部にあるリゾート施設、ブラックベリーファームのレシピを使っています。

食に気を使っていれば、なるべく避けたいジャンクフード。

だけどアメリカの子どもたちとマクドナルドの関係はとても濃厚で複雑なのだそう。

原文はこちらから
Cooking with Dexter:Happy Meal Me

ブラックベリーファームのレシピはこちら
Fried Pear Pies




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